studio talk「アーティストとスタジオ」その2

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第二回は坂木さんが普段どのようにして作曲し、
どのようにバンドの楽曲としてまとめていくのかを解説してもらっている。
僕もこの話を聞いておもわず曲がつくりたくなった。
普段の作曲についてはデジタル機器の御恵を充分に活用してとても手軽に行っている印象だ。
しかし、詰めに確認しては細部に渡って慎重に行っているし、なかなか簡単にはいかない。
ただ、作曲者として、ひとりでどこまでやっているものか、
そのレベル感だけでも知ることによって、
音楽家を志す人には、今後の必要なスキルや課題が見えてくるのではないだろうか。
(撮影:桧原勇太)

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velvet room studio(以下、vrs):それでは、いろいろ機材の話も出たので、
いま坂木さんが使っている機材についてまとめて説明してもらってもいいですか?

坂木:じゃあ、とりあえず、曲づくりの工程から説明するね。
まずiPhoneのボイスメモとかを使って、
日頃、思いついたメロディやフレーズをバンバン録っていきます。
昔はそれがテープレコーダーで、テープから起こして
windowsにデータで残していってたんだけどね。
で、とにかく思いついたメロディやフレーズは何でも残しているので、
それを、Aメロで使えそうなもの、Bメロで使えそうなもの、
サビで使えそうなものといった感じで
保存先をフォルダで分けていきます。

vrs:そんな細かい作業をしてたんですね、面白い!

坂木:データ自体にはホントに仮で「カミナリ」とか「クモ」とか「タミオ」とか
適当な名前を付けるだけで。
で、それをいつ録ったかっていう年数別でもわかるようにしていて、
それが無数に保存されてる感じ。
2000年くらいからやってるかな。いまでも日常的にやってます。

vrs:ライフワークになってるんですね。さすがです!

坂木:いまはiPhoneだからiTunesからフォルダに移してって感じに変わったけど、
やってることはいっしょ。
で、じゃあ、曲をつくろうって時にそれを片っ端から再生していってギター弾きながら、
これをあれとくっつけようみたいなことをやってます。
で、それがだいたい1曲分の長さになったら、もう一度iPhoneで録り直して、
これが1コーラスと決まったら、
次にMacのGarage Bandに入ってるプリセットのリズムに合わせて、
Mac内蔵のマイクでギター弾き語りで歌って録ってしまう。
鳴らしてるリズムもいっしょに録れちゃうんだけどね。
で、そこまでできたら、Garage Bandでちゃんとリズムを詰めていき、
オーディオインターフェイス経由でちゃんとマイクを立てて、アコギと歌を録り直す感じ。

vrs:なるほど。結構ここまではMac1台あればできちゃう作業なんですね。

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坂木:さらに細かくやる時はそこにピアノの伴奏をつけて、メロディもピアノで弾きます。
で、そのメロディをギターとピアノで交互に聴き返したりして、
伴奏の楽器が変わってもおかしくないように詰めていく感じ。
で、そこまでやってベース、エレキギターを入れて、最後に歌を入れて、一旦完成。

vrs:その時使っているオーディオインターフェイスって、M-Boxじゃないですよね?

坂木:そうそう。今日は持ってきてないんだけど、
SONARと合わせて導入したEDIROL UA-101を使ってます。
マイクはちょっと型番がわからないんだけど、SAMSUNGのコンデンサーマイクです。
1万円くらいだったかな(笑)

vrs:いや、でも普段使うのはそのくらいお手軽なものの方がいいですよ。安心だし。

坂木:あと、USBのキーボードのEDIROL PC-50も使ってます。

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・ここでプリプロの状態での「THE OLD DAYS」(Album SEE収録曲)が
Garage Bandで立ち上がる。
オルガンの歌メロと伴奏で、ドラムやギター、ベースも入っている。

vrs:なるほど、こうやって歌メロを他の楽器で鳴らして確認してるんですね。
ちなみに、このギターやベースもGarage Band内蔵の音源なんですか?

坂木:いや、これは自分で弾いたもの。
で、そうこうしていると楽器が混んでくるので、
オルガンの音色をピアノに差し替えたりしてます。

・次に別のGarage Bandファイルを立ち上げてもらう。

vrs:これはもうほぼ完成形に近い状態ですね。歌も入っているし。

坂木:ベースとか本職じゃないのにがんばってるでしょ(笑)

vrs:がんばりが伝わってきます(笑)
これすごく聴きやすいですが、ミックスとかもされてるんですか?

坂木:いや、まったくしてないよ。
メンバーに渡す時に、例えばベースのフレーズを伝えるのに聴こえやすいよう
処理することはあるけど、基本何もしないよ。

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・また別のGarage Bandファイルを立ち上げてもらう。

坂木:これは歌も入ってるけど、
こういう風にピアノの歌メロにも差し替えられるようになっていて。
(ここでピアノの歌メロと伴奏に切り替え)
こういう風にピアノだけで聴いて、いい曲なのかどうかとか、
どこか音がぶつかっているところはないかとか確認してます。

vrs:なるほど。確かにピアノだけで聴くとその辺り顕著にわかりますね。

坂木:ただ、オレ、ピアノ弾けないから右手と左手分けて打ち込んでるんだけどね(笑)
でも、基本バンドなので、他の各楽器のイメージはドラムとかベースの音色に変えてから、
メンバーには聴かせてる。
例えばこれはオレの打ち込んだドラムだけど、これをドラムの真田(以下、Saloon)に聴かせて、
後日Saloonの打ち込んだドラムのデータをWAVファイルとかで送ってもらう。
野沢(以下、ノザメン)はシステムを持っていないから、うちに来て弾いてもらってる。
だからこれはメンバー間でのチェック用デモ音源をつくっている感じかな。
さっき言ってたどこかぶつかってる音はないかとかリズム的におかしくないかとか。
各楽器でおかしなところはないか確認する目的で。
そういったことってスタジオで音を鳴らしててもわからなかったりするから。

vrs:なるほど。スタジオでiPhoneなどで録った音源だと細かいところまで
チェックするのは難しいですよね。

坂木:こういうことって、MTRの頃は難しかったけど、
いまはMIDIとかで簡単にずらせたりできるし。
だから、曲をつくっている最中はオーディオファイルより
なるべくMIDIで管理できてた方がやりやすいね。
で、これを元にレコーディング用のプリプロをつくっていく感じかな。

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第二回はここまで。次回はNUDGE’EM ALLのレコーディング対策についてです!お楽しみに。

■Information
インタビューに答えてくれている坂木さんですが、今週何とあのバンドとライブで共演します!

■7月8日(金)
the legend still goes on from early 60’s
英国音楽/VINYL JAPAN proudly presents
THE ZOMBIES live in Tokyo @下北沢GARDEN

THE ZOMBIES
(ROD ARGENT/COLIN BLUNSTONE/
TOM TOOMEY/STEVE & JIM RODFORD)

SUPPORT BANDS:エイト,NUDGE’EM ALL
open the door 18:00/ start to play 19:00

ADV 7,800円(ドリンク代別途)

※詳細は http://www.nudgeemall.com/ にてご確認ください。

2011年07月06日

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